音楽でりんごを育てる。パパのような優しい生産者

2021年10月15日

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ)

りんご畑に家族の笑い声が響いて本当に楽しそう!

家族でポジティブ明るい農園を経営するAPPLE PAPAに訪問させていただきました。

滲み出る優しさと熱い想いをもつ園主の天内元三さんのインタビューを是非ご覧ください!

 

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ)

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ)

3兄弟の末っ子として藤崎町に生まれる。藤崎中央小学校、藤崎町中学校出身。

高校卒業後上京。震災後の2012年にUターンし実家のりんご農園を継ぐ。現在はおじいちゃん、おばあちゃん、両親と奥さんと共ににAPPLE PAPAを経営。

 

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ)

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ) 

青森の農業の未来は明るい。

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ)

ー天内さんがりんご農家になったきっかけを教えてください。

高校を卒業したあと東京に行きました。

東京では飲食店などに勤めていましたが、人間関係に疲れ、自然に触れ合いたいという漠然とした思いが当時はありました。

青森に帰ってきたのは、2011年の東日本大震災の翌年の2012年です。

私には兄が二人いますが、他の仕事をしていたので、その当時、りんご農園を継ぐ人がおりませんでした。

ふと両親の写真をみたときに、いつの間にか両親が昔に比べて、“小さくなったなぁ、リンゴの作業が大変そうだなと思い、青森に帰ってりんご農園を継ごうと決心をしました。

最初は、「いいりんごを作りたいというよりは親孝行をしたいというのが出発でしたね。

東京から青森に帰ってきたとき、山に行って山菜を採るとか、川釣りに行ったりとか、自然の良さを改めて感じたのを覚えています。

 

ー実際にりんご農家をやってみていかがでしたか。

青森県はりんごの県というイメージですが、同じりんごの生産地である長野県や群馬県は大消費地と近いという特性を生かして、観光農園がやりやすいなど青森にはない利点があります。

青森はそのような戦い方はできませんので、一番大事なのは販売の部分だと思っています

正直小さい頃は両親をみてりんご農家は大変だなと思っていましたが、現在ではインターネット等を通じて産地直送ができるようになり今は勝負ができると思っています。

最近ここ藤崎町でも若い農家の人たちが新しい加工品の開発を積極的に行う等、チャレンジする雰囲気もあり、青森の農業の未来は明るいなと感じています。

 

ーAPPLE PAPAはどんな農園ですか。

2018年にAPPLE PAPAを命名しました。

私が、りんご農家になって6年目、ようやく一人前にりんごを栽培することができたと実感できるようになり、加工品にも挑戦してみたいという想いが芽生えてきた年です。

せっかく、加工品に挑戦するのであれば1つのブランドとして商品開発や販売をしてみたいと思いブランドになる名前を考えました。

色々考えましたが、ちょうどその前の年に子供が生まれパパになったこともあり、「APPLE PAPA」にしました。

APPLE PAPAとしてはまだ日は浅いですが、りんご農園自体は100年以上の歴史があり、私で4代目です。家族で明るく楽しくやっています。

 

自分が納得するりんごを届けたい。

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ) ーりんご作りのこだわりを教えてください。

りんごに私の好きな音楽をいつも聴かせています。

本で読んだのですが、水が凍るとき結晶ができます。その結晶は音楽や言葉によって形が異なってくるということを知りました。

良い言葉や音楽だと綺麗な結晶ができ、反対に悪い言葉や音楽だといびつな形の結晶ができます。

りんごの木も水で生きる生き物なので、ポジティブな音楽を聞かせることで、元気になってほしいと思ってやっています。

私は、いつも、木と共存の気持ちを忘れず、りんごの木も一緒に生きていると思って接しています。おかげさまで、りんごの木も活き活きし、美味しいりんごを実らせてくれています。

農薬についても人の口に入るものだからこそ、なるべく少なくしています。

 

ーやりがいはどんなときに感じますか。

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ)

やはりりんごを収穫し、美味しくできたときに感じます。

りんごを市場に出荷する場合、りんごの価格は需要と供給で決まるので、価格が高い時期にりんごを収穫し出荷する生産者もいますが、そのタイミングがりんご一番美味しいタイミングとは限りません。

私たち、自分が納得の行くものを消費者に届けたいという想いから、なるべくいちばん美味しいタイミングで収穫をしたいと思っています

だからこそ実際にりんごを食べていただき、「おいしい」と評価していただけたら嬉しいです。

りんごの味や品質には自信をもって消費者の方々に提供していますが、りんごは自然との闘いのため、毎年同じように作業をしても、同じりんごはできません。常にりんご作りは修行だなと思っていますが、これはこれで楽しいです。

 

農家は楽しいというイメージを作りたい。

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ)

ー将来の夢を教えてください。

二つ夢があります。

一つは、私自身が頑張ることでりんご農家の悪いイメージを払拭し、若い農家を増やしていくことです。

青森県に限ったことではありませんが、担い手不足は深刻で畑を手放す家が多く、耕作放棄地になってしまう場合もあります。

りんご農家はイメージが悪く、若い人がなかなか入ってきません。

その悪いイメージをAPPLE PAPAを通じて壊していき、もっとりんご農家をポップで楽しいイメージに持っていきたいです。

そのためには何より稼ぐということが重要です。

りんごの栽培だけではなく、現在は加工品や雑貨などの商品開発にも力をいれています。

付加価値が高い商品を増やし、売り方のバリエーションを増やすことで、稼げるような仕組みを作っていければと思っています。

二つ目は「りんごといえば藤崎町だよね」というブランドを定着させることです。

藤崎町はりんごふじ発祥の地ですが、県内では隣の弘前市や板柳町の方が有名です。

まずは、藤崎町産のりんご生産するAPPLE PAPAのブランドが頑張ることで、藤崎町もPRしていきたいです。

 

ー最後にりんごを買ってくれる消費者の方にメッセージをお願いします。

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ)

藤崎町のふじりんごはふじりんご発祥の地というだけあって、とても美味しくてみずみずしいりんごができます。

どうぞ美味しい愛情のこもったりんごを食べてみてください!

 

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ)

APPLE PAPA 天内元三(あまないもとみ)